2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今村仁司著 『アルチュセール』

今村仁司の名前を初めて知ったのは、浅田彰著『逃走論〜スキゾ・キッズの冒険』に収録された「ドゥルーズ=ガタリを読む」によってであった。以来、今村仁司の仕事を、チェックするようになった。 今村仁司の仕事は、大きく分けて三つの範疇に分けることがで…

雨宮処凛著『すごい生き方』

雨宮処凛著『すごい生き方』(サンクチュアリ出版)の冒頭にある「はじめに」によると、イラク戦争開戦以来、民間人の死者数は2万6000人から3万人であるという(2005年10月現在、「Iraq Body Count」調べ)。一方、日本における自殺者数は、2年…

『熊の場所』

「よい」と「わるい」……舞城王太郎の文学空間では、ふたつの明確な区別が存在する。善悪ではない。生命にとって、よいものであるか、わるいものであるかが問題なのだ。 舞城王太郎にとって「よい」とは、ストレートであること、すなわち、生命のアンタンシテ…

笠井潔 その思想と行動の変遷

私が笠井潔さんの作品を発見したのは、竹本健治さんの『匣の中の失楽』を読んだ直後で、『バイバイ、エンジェル』と『アポカリプス殺人事件』、そして『テロルの現象学』と立て続けに読んだわけです。そのときの感想は、ドストエフスキーの『悪霊』、サルト…

生命論に関するラフ・スケッチ

ライヒの晩年は、オルゴンボックスで集積したエネルギーを使って、空飛ぶ円盤を撃ち落そうとしたり、雲を消失させたり、逆に雨を降らせたりできると主張したりして、これ以上マッドサイエンティストという言葉が似合う人はいないと思っています。 ただ、ライ…