2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『コズミック・ゼロ〜日本絶滅計画』

清涼院流水の『コズミック・ゼロ〜日本絶滅計画』は、かなり緻密に組み立てられた政治経済小説である。コズミック・ゼロ作者: 清涼院流水出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/05/27メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (17件) を見る お…

『SPEED ANIME M@STER ~あにそんまぁすたぁ~☆』

SPEED ANIME M@STER ~あにそんまぁすたぁ~☆ (CD ポピュラー) ビクターエンタテインメントSPEED ANIME M@STER ~あにそんまぁすたぁ~☆アーティスト: オムニバス,ゆい,SHIHORI,NAGISA,Myee,kozue,中野美幸,日高莉花,藤井アユ美,KEI,Ruku出版社/メーカー: ビクタ…

「命に意味を吹き込むならば」(music.Goronyan)

「命に意味を吹き込むならば」(music.Goronyan)を公開しました。 http://players.music-eclub.com/?action=user_song_detail&song_id=237578 作詞者 はらぴょん 作曲者 Goronyan 編曲者 Goronyan 「もう無理かも知れない」 君がそう言ったときから 僕は壊…

奥泉光著「モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活」

東大阪のしがない短大の桑潟幸一助教授は、たまたま『日本近代文学者総覧』で、意に反して溝口俊平なる無名の童話作家の項を書いたがゆえに、溝口の新発見の遺稿と称するものの解説を依頼される。溝口の遺稿は、どうみてもくだらない作品であったが、泣ける…

『東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編 』

東京大学教養学部で行われたジャズ講義録の上巻。 ここでは、「余りにロマンチックで思考停止的で自己完結的で非越境的」(P8)な従来の一般的なジャズ史に風穴を開け、偽史との批判を覚悟で、一般的な議論の対象となるような、他ジャンルとの関連性をも視…

『英文学の地下水脈』

小森健太朗著『英文学の地下水脈』は、大きく分けて3つのテーマを扱っている。 第一に、黒岩涙香による翻案のうち、原典が不明だったものを明らかにする作業。この過程で浮かび上がるのは、バーサ・M・クレー、ヒュー・コンウェー、メアリ・ブラッドン、C…

乙一著 『GOTH モリノヨル』

例えば、ある種の神秘体験を得て、それを言語化して、他者に伝えようとするケースを考えてみよう。言語化に成功した途端に、その体験のヴィヴィッドさは喪われ、ピンで留められた蝶のような空々しさが生まれるだろう。 そこには、全宇宙を包み込むような拡大…