予告編 プレイバック 1984

京都大学アヴァンギャルディズム研究会 会報2号 藤田一・高浜雅士著『スキゾ・ナルシストの冒険〜浅田彰の死亡診断書』という冊子がある。

私が持っているものには、裏面に「1984年11月22日 第一刷発行、1984年11月30日 第2刷発行」と記載されている。
1984年といえば、ジュージ・オーウェルの『1984年』(早川文庫)が話題となっていた年であり、ドクトル梅津バンドと浅田彰が『1Q84』(ペヨトル工房)を刊行した年である。

つまり、AA現象の最中に、『スキゾ・ナルシストの冒険〜浅田彰の死亡診断書』は発表されたのである。
しかしながら、浅田彰に届くはずだったこの矢は、完全なる失敗に終わった。というのは、『スキゾ・ナルシストの冒険〜浅田彰の死亡診断書』は、かなり酷い誤読の産物だったからである。つまり、浅田彰に死亡診断を下す前に、この書き手たちはすでに死んでいたのである。
しかし、無知はゾンビのように甦る。それも、はなはだ知性的なはずのこの人から。

山形道場―社会ケイザイの迷妄に喝!

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したがって、ゾンビは何度でも倒される必要がある。
というわけで、次回は京都大学アヴァンギャルディズム研究会による『スキゾ・ナルシストの冒険〜浅田彰の死亡診断書』を徹底解剖しようと思う。