多孔質の空間

・以下は、[mixi(ミクシィ)]投稿原稿の再録である。
薔薇十字制作室ニッポンロッヂというコミュニティをやっている。今のところ、自分も含め3名のみである。
ここは、加入に際して、許可制をとっている。
ミクシィ自体も、紹介者なしに入れないところだから、二重の防御壁である。
このコミュニティは、秘密結社を研究するコミュニティではなく、秘密結社を実践するコミュニティである。
秘密結社のポイントは、秘密であることだから、まず入室はできないと考えていただきたい。
例えば、英国の黄金の暁会は、イスラエル・リガルディの『黄金の暁会魔術全書』によってやっていることすべてが暴露されたので、秘密結社としては終わった。もっとも、この本のおかげで黄金の暁会の真似事がすぐできるようになったので、リガルディも、同じく魔術の中身を通信教育で公開してしまったダイアン・フォーチュンにも感謝しているが……。
たとえば、万博会場で仏像とかにも販売価格がついているような時代にあって、精神的な価値や文化までも、流通ルートに乗せられてしまっている。
しかしながら、私は「ものには限度がある」と思う。 なんでも商品化すればいいというものではないのだ。
また、世界の価値も、ここ数年のうちに一元化され、急速に状況は閉塞しつつあるように感ずる。たとえば、自由の国を標榜する国で、劣化ウラン弾に関する報道がほとんどなされていないということを考えてみればわかる。
こうして、私は商品化されない精神の場所、あるいは単一の価値に回収されない精神の場所をつくるために、今回のような秘密の空間を多数つくり、多孔質の空間にしてしまおうと決意したのである。
勿論、ここは逃げ場ではない。ここは、自分らしさを取り戻し、ここから再度世界を変えるために旅立ってゆく場所である。
まだ、か弱い組織だが、やがて文化の起爆剤になればいいと思う。
・以下は補足。
これまで私は、ドゥルーズ=ガタリの影響もあって、マクロとミクロの全体主義を回避しながら、資本主義の脱コード化を極限にまで進めるという路線を肯定してきた。
これは、言い換えれば到底流通できないようなものをも、流通させることで、システムを中から開くということであった。
ところが、状況が変わった。東西の冷戦が終わり、再び歴史の動きが活発化し、民族と宗教の問題が噴出し、見えない地下組織によるテロリズムを抑えるために、新しい帝国主義・新しい植民地主義というより大きなテロリズムで押さえ込もうとする動きが顕在化したのである。この状況を対象化し、この閉塞状況からの逃走線を引くには、これまでの路線では不十分ではないかと考え始めたのである。
システム内に回収し、流通させようとしているものを、流通させないような不可侵の領域を数多く造り、ここから再び世界変革のヴィジョンを発信することが必要なのではないかと考え始めたのである。