覚え書きII
[以下は、はてな出張所オリジナル原稿です。]
◆アルベール・カミュは、[カミュの手帖]と呼ばれる創作ノートを残していた。日本においては、当初、三分冊の予定で、まず二冊『太陽の讃歌』『反抗の論理』というタイトルで、高畠正明訳で新潮社から刊行され、後に新潮文庫に収録された。三分冊目は、諸般の理由で(そこに書き込まれている人が、存命中の人が多々いたこと、プライバシー問題に抵触する恐れがあったことなどの理由で遅れていたらしい。)フランスでの刊行が遅れていたのだが、これも刊行され、現在では『カミュの手帖[全]』として、大久保敏彦訳が新潮社から刊行されている。
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つまり、これはドストエフスキーの創作ノート(新潮社版『ドストエフスキー全集』に収録されている。)のようなものとは、異なる。
これは、刊行を前提として、作家自身によって編集されたものであり、プライバシー・イメージを公的にいかに作り出すかという意識の上で作られていると判断できる。