ｍｉｘｉコミュニティ［笠井潔］事件について

mixiのコミュニティ[笠井潔］事件の経緯は、以下の記事をお読みください。
「コミュ「笠井潔」管理人独裁事件」2006年03月27日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=108139100&owner_id=856746
および
「笠井潔　ヴァンパイヤー・ハウス／ディープ・インパクト」
http://d.hatena.ne.jp/dzogchen/20060323

今回、mixiのコミュニティ［笠井潔］の騒動で興味深かったことは、当初、笠井潔葬送派　ＶＳ 笠井潔肯定派　という構図なのかと思っていたところ、実はmixiのコミュニティ［笠井潔］の管理人ShinRai氏が、狂信的なナショナリストで、自分に都合のいいマルクス葬送派の反共部分をピックアップして、利用しているに過ぎないことが暴露したということです。
ちなみに、笠井潔が三島由紀夫の『奔馬』に対して、いかに屈折した思いを抱いているかは、『復讐の白き荒野』を読めば判るし、三島の『豊饒の海』のような絶対的かつ究極のテクストが持つ呪縛力への憎悪は、『梟の巨なる黄昏』を読めば判ります。
また、笠井潔や戸田徹が、当初反スターリン主義的な権力批判からスタートし、第三世界革命論に至り、さらには連合赤軍事件を経て、マルクス葬送という結論にたどり着いたことを考慮するならば、彼らの思想の根幹は反権力にあり、当然日本的な構築に対しても批判的であり、ましてや恫喝・罪のでっち上げ・強制除名・粛清というスターリン主義的党派のやり方を容認するものではないことは明瞭です。
つまり、このmixiのコミュニティ［笠井潔］は、現在、反笠井的なものによって簒奪されているということです。
そして、この反笠井的なものに対して、笠井潔葬送派が、本性である過度の笠井ファンの部分を剥き出しにして、闘いを挑んでいるということです。
要するに、反笠井的なものから笠井潔の言いたかったことを奪還し、笠井潔を救い出そうとしているのが、笠井潔葬送派というパラドキシカルな現象が起きているのです。
私のいいたいことは、以下の通りです。
まず、真っ先にやらないといけないことは、笠井潔肯定派と笠井潔葬送派がタッグを組んで、笠井潔の言説をナショナリズムのロマン実現に役立てようとする簒奪者を、mixiのコミュニティ［笠井潔］から追放しなければならないということです。

この管理人が如何なるイデオロギーの持ち主か、プロフィールからチェックをかけてみましょう。
ShinRai氏のプロフィールを見ると、このように書かれています。
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=1031649
※字は、私が意図的に伏せています。

「※ ※※ (男性)
現住所 ※※
年 齢 ※歳
誕生日 ※月※日
血液型 ※型
出身地 ※県※市
趣 味 アート, 読書
職 業 技術系
所 属 現代・汎神論的思想家(Contemporary & Pantheistic Philosopher)　（デカルトもパスカルも、一神教的思想家です。違いにご注意ください）
自己紹介 仕事は軍事宇宙のシステム屋（自称です、すみません）です。人工衛星による地球観測（偵察）と、人工衛星による軍事通信について、２０年近くかかわってきました。
日本浪漫派の精神的な流れを汲む地球浪漫派です。
日本という国について、これまでいろいろと拙いながら考えてきました。結論は、「ディアスポラの時代が始まる」ということです。
新たなコミュ立ち上げました。
三島由紀夫がいうように、日本は昭和２０年にすでに滅んでいるのかもしれません。それならそれで、私たちはディアスポラを生きる人間として、しっかりと生きていかなければなりません。
ディアスポラの心意気をもちましょう。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=551366
もちろん、地球浪漫派でもありますので、これも今まで通り続けます。
自分の心を美しくすることによって、世界も美しくしよう、
雪月花を眺めていた昔の日本人のように、
美しいことを考え、眺めることによって、
世界をよくしよう
地球浪漫派のコミュにもどうぞご参加ください
http://mixi.jp/view_community.pl?id=298891
私は管理ということが、自己管理も含めて苦手なのですが、いくつかほかに細々と管理人をやっています。
西原医学
http://mixi.jp/view_community.pl?id=434705
関曠野
http://mixi.jp/view_community.pl?id=315522
笠井潔
http://mixi.jp/view_community.pl?id=51239 (以下、省略)」

解説を加えます。
一神教的思想家ではなく、汎神論的思想家と自身を規定しているのは、キリスト教徒ではなく、神道と論語を規範としていることを示しています。
「軍事宇宙のシステム屋」で、「人工衛星による軍事通信について、２０年近くかかわってきました」というのは、笠井潔の『サマー・アポカリプス』に出てくるジュリアン･リュミエールのようなタイプの人間であることを示しています。
そして、彼は三島主義者です。ShinRai氏は、笠井潔が『テロルの現象学』で、観念の倒錯の症例として、三島が分析されていたのを、意図的に気づかないふりをして、好きな思想家として挙げているということになります。
ShinRai氏の思想が一番鮮明に出ているコミュは「日本浪漫派」です。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=298891
ここを見ると、ShinRai氏は、９条の会を敵視し（つまり改憲派ということです。)、「人間が多すぎる」と書いています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=2730776&comm_id=298891
そこには、このような書き込みがあります。

"女子高校生がタリウムで母親を毒殺しようとした事件があった 地球上に人間が多すぎるのだ、それが地球環境問題の根源なのだと、思ったのだとしたら、間違った行為とばかり責められないと思う"

この記述から笠井潔が『バイバイ、エンジェル』で、ジャイナ教を持ち出して、観念の倒錯を説明したのが連想されます。つまり、首尾一貫して反笠井的な思想の持ち主だということです。

ShinRai氏は、mixiにご来光という名前でも登録しています。
こちらのプロフィールは、以下の通りです。
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=2828094
こちらに記載されている本名は、実名ではないことが一目瞭然の名前ですが、一応※字にします。

「※※※※(男性)
現住所 ※県※市
趣 味 アート, 習いごと
職 業 フリーター
自己紹介 毎朝、立山の方角を見ています
すばらしい来光にであうと
それだけで幸せな気分になります

論語や孟子など、中国の古典に興味があります
戦後の日本では忘れ去られましたが、
これはエリート教育が米駐留軍によって
つぶされたからかもしれないと思っています」

彼の思想信条は、儒教、神道、改憲論、三島主義、日本型ファシズム、ナショナリズムということになります。ただし、一本筋が入ったではなく、気分的で幼稚なものといえるでしょう。そして、笠井潔については、自分の主張に適合する反共の部分だけを評価し、他の部分を意図的に見ないようにして、自分の立場が危うくなると、ロジックで打ち負かすのではなく、駄々をこねるように、記事削除と除名を連発するわけです。実に困ったものです。