<愛>は存在しない
ジーグムント・フロイトの精神分析学では、家族の根幹にはエディプス・コンプレックスが隠されているという。ギリシャ悲劇から取ったこの概念は、ドアーズの「ジ・エンド」のモチーフとなっている。
- 作者: フロイト,高橋義孝,下坂幸三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1977/02/01
- メディア: 文庫
- 購入: 13人 クリック: 193回
- この商品を含むブログ (58件) を見る
- 作者: フロイト,高橋義孝,下坂幸三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1977/02/01
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
- アーティスト: ドアーズ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/08/24
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
- 作者: ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ,宇野邦一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/10/05
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 105回
- この商品を含むブログ (144件) を見る
- 作者: ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ,宇野邦一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/10/05
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (80件) を見る
欲望の現象学―ロマンティークの虚像とロマネスクの真実 (叢書・ウニベルシタス)
- 作者: ルネ・ジラール,古田幸男
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1971/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: S.キルケゴール,Soren Kierkegaard,桝田啓三郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/06
- メディア: 文庫
- クリック: 26回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: コリン・ウィルソン,中村保男,Colin Wilson
- 出版社/メーカー: 平河出版社
- 発売日: 1984/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ベルゼバブの孫への話―人間の生に対する客観的かつ公平無私なる批判
- 作者: G.I.グルジェフ,浅井雅志
- 出版社/メーカー: 平河出版社
- 発売日: 1990/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 34回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
- 作者: G.I.グルジェフ,星川淳
- 出版社/メーカー: めるくまーる
- 発売日: 1981/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
- 作者: G.I.グルジェフ,Georgei Ivanovitch Gurdjieff,浅井雅志
- 出版社/メーカー: 平河出版社
- 発売日: 1993/08
- メディア: 単行本
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ここまで来た段階で、「<愛>は存在しない」の歌詞は、旋回を始める。こうした猜疑を通じての挫折、自己の限界状況の確認が、愛の必要性の認識へと変貌を遂げる。
<愛>は存在ではない、当為である。<愛>はあるのではない、あるべきであり、我々自身によって存在たらしめる必要のあるものである、と。
こうして、この作品は、現代思想を踏まえつつも、さらにこの前提を内部から突き崩そうとする無謀な試みとなっている。
「<愛>は存在しない」 (music. MILKHOUSE)
作詞:原田忠男
作曲:島田良彦
編曲:島田良彦
辿り着いた地点は
出口のない世界
ふたりだけの世界はアンチ・ユートピア
今では夢の外側だけを夢見てる
(1)家族愛なんてまやかしだと思う
母の愛を独り占めするために
父を憎み 父を超えるために 大人になった
父と母と私 逆三角形のなかで私は私になる
大人をコピーして 大人になる ただそれだけのこと
(2)淡い恋などまぼろしだと思う
一輪の華を独占するために
ライバルを憎み ライバルを超えるために 大人になった
華を愛でるライバルがいたから その華を奪おうとした
他人をコピーして 欲望を真似る ただそれだけのこと
辿り着いた荒れ地は
窓のない密室だった
閉ざされた世界は ディストピア
愛が憎しみに転化する地獄の世界
(3)優しさなんて偽善だと思う
理想の異性像を想い描いて
鋳型に押し込み 外れた部分を 憎み続けた
自分の理想を愛しただけで 現実には興味なかった
愛をトレースして 愛を真似た ただそれだけのこと
(4)自分なんて愛せないと思う
自分の妄想を造りだし
妄想に中毒して 現実の肌ざわり 忘れてしまった
閉ざされた世界を愛し 外の風を忘れていた
妄想の増殖に 翻弄された ただそれだけのこと
冷たい雨が打ちつける中
虚飾の愛が打ち砕かれる
痛みとともに 甦るのは
真実の愛への渇き
<愛>は存在しないと 唇を噛みしめるとき
甦る 奇蹟の調べ......