漆黒の精神史

現在、この曲の制作チームを募集しています。
募集しているのは、作曲のできる人、編曲のできる人、楽器ができDTMをやっている人、歌う人、動画制作できる人です。
制作チームの名称は、漆黒の精神史制作委員会。
戦争(ウォーズ)篇 …… チームW       
三島篇 …… チームM
連赤篇 …… チームL
オウム篇 ……チームO
とし、チームごとに、作曲・編曲・演奏・歌唱・動画制作の担当を決めて行います。

参加希望者は、musictrackに登録の上、
http://musictrack.jp/lyrics/33722 のコメント欄に、参加表明を書き込んでください。

さぁ、ぼくと契約して、現代芸術のセンターに立とうよ!

「漆黒の精神史」

◆戦争(ウォーズ)篇

身体(からだ)をピンポイントに絞り込む
標的を定め ココロを空にして
正義なのだ 大義なのだと言い聞かせて

黒い海原が線を描き 後ろに駆け抜ける
操縦桿のリズムに 手のひらが汗ばむ
大東亜の大義 日の丸がはためく
自衛なのだ 選ばれし者の英雄的行為なのだ

前のめりで 敵機を追撃する
弾丸を撃ちつくし 後は玉砕のみ
正義なのだ 大義なのだと言い聞かせて

大量虐殺は 正義の名のもとに貫徹される
正義は極点において 悪に転化する
被害者にして 加害者
殺される側にして 殺す側
相反するものが一致するとき エネルギーはクラッシュし
黒い涅槃が 扉を開く

◆三島篇

身体(からだ)を清めて 国を憂う
胸襟を開き 切腹を試みる
誠の証(あかし) 大義なのだと言い聞かせて

先に逝った特攻隊を想い 憂国の士になる
特権的な死に 指先が痺れる
空虚に侵された 自己に充填する
時代への遅れを 自刃で終わらせるのだ

割腹した後で 弟子が首を落とす
日本の魂が 肉体を超える
無意味ではない 意味があるのだと言い聞かせて

観念の背理(はいり)は 無意味を充填し貫徹される
欲望は極点において 破壊に転化する
加虐者にして 被虐者
遅れてきた兵士にして ニヒリスト
相反するものが一致するとき エネルギーはクラッシュし
黒い涅槃が 扉を開く

◆連赤篇

身体(からだ)を汚物と見做して殴る
女らしさやひ弱さは 足でまといである
革命のためだ 解放のためだと言い聞かせて

山岳ベースのなかで 武闘派訓練をした
プチブル性を罵り 自己批判した
ついて来れない者は 斬り棄てる
このリンチは 革命のための歴史的必然なのだ

山荘に立てこもり 銃撃戦
巨大な鉄球が 襲いかかる
最期まで闘い 革命に殉ずると言い聞かせて

歴史的必然によって 革命が殺人を正当化する
無限の解放のために 無限の専制を肯定する
解放者にして 抑圧者
民衆の味方にして 民衆の敵
相反するものが一致するとき エネルギーはクラッシュし
黒い涅槃が 扉を開く

◆オウム篇

身体(からだ)と精神(こころ)を分離させる
死を超えるための 死の修行
ヘッドギアで データ注入と言い聞かせて

カルマを断ち切るための 殺人を肯定した
尊師をコピーすれば 解脱できるとした
密教が サイバネティックスに置き換わる
尊師を守るためなら 犯罪にも手を染める

水中クンバカに LSD
曲解される仏典に 陰謀史観
サリンの空中噴霧で 世界を壊滅するのだと

オカルト解釈で あらゆる悪が正当化される 
生活能力のなさを 自己欺瞞で隠蔽しながら
解脱者の顔をした 煩悩の塊
救済者の顔をした 破戒僧
相反するものが一致するとき エネルギーはクラッシュし
黒い涅槃が 扉を開く