ジャック・デリダの新刊『死を与える』

- 作者: J・デリダ,廣瀬浩司,林好雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/12/09
- メディア: 文庫
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デリダは、ヤン・パトチュカについて語っていますが、後半キルケゴールについて語り始めます。
贈与論から話した方がいいかな。レヴィ=ストロースの場合ですと、部族間の贈与がループを描いて閉じているわけです。女性交換(婚姻)も、その円環に沿って未開社会では行われているわけです。ところが、デリダはそこに、贈与としての贈与を持ってくるわけです。そういう見返しを期待しない純粋な贈与。これが一撃となり、予定調和のループがわずかながら開く、そこにデリダの目標があるわけです。
では、死とはなにか。アブラハムにとって、死とは?これまた、純粋な贈与の一形態として、予定調和のヴィジョンを破るものとされるわけです。
デリダの最良のテクストは、暴力的な加速度をもった文体で書かれる時です。