アレクセイの花園 http://8010.teacup.com/aleksey/bbs に「コムレ・サーガをくっくり返す」を投稿。

以下は、その原文。(ただし、「知らない」「わからない」の連発で、内容はあまりないので悪しからず。)
笠井潔の『ヴァンパイヤー戦争7蛮族トゥトゥインガの逆襲』(講談社文庫)が刊行されましたが、今回の表紙を見て、なぜか荒俣宏の『地球暗黒記』(角川文庫、全3巻)を連想してしまいました。アフリカの密林に立つ美少女と、ハワイの密林に立つ美少女……。それだけの共通点ですが。
ところで、先日、時雨さまから『無底の王』の内容について質問がありましたが、残念ながらよく知らないのです。(知らないので、気になっているのです。)これは『SFマガジン』1995年2月号〜1996年2月号に掲載された伝奇SF小説で、コムレ・サーガに属する作品ということは確かなんですが、笠井潔の小説で雑誌掲載の段階からコンプリートしていたのは、『オイディプス症候群』だけで、この作品の掲載された『SFマガジン』は購入しておりません。それどころか、雑誌掲載の段階で読んでしまうと、単行本になったとき、有難味がなくなることを恐れ、あまり内容をチェックしておりませんでした。曖昧な記憶で申し訳ないのですが、この作品はコムレ教のダーク・サイドを描いていたように思います。少し本屋で立ち読みして、「おや?」と思った記憶があるのです。(このサイトをご覧の方で、当時の『SFマガジン』をお持ちの方、もしくはこの連載をしっかり読んでいたという方は、お教えください。たぶん、このサイトは笠井派の方もチェックされていると思いますので、是非ご教示を。)
笠井潔は『巨人伝説』・『ヴァンパイヤー戦争』等で、コムレ教を善玉として扱っています。ただ、そこに留まっていては「ウラ日本史観」になるという柄谷行人の批判があって、笠井潔も、当時、コムレ・サーガをもう一回ひっくり返す必要があることを認めていました。したがって、コムレ教ですら、テロリズムに転化する逆説を描く必要があるのです。ただ、くり返しますが『無底の王』の内容を、私はよく知りませんので、『無底の王』がそのねらいで書かれたものなのか、なんとも言えません。また、『瀕死の王』となんらかの関係があるのか(<王>シリーズ?)もわかりません。