黒猫館はてな出張所〜カネゴンの日だまり http://d.hatena.ne.jp/kuronekokann/20050202 にコメントを書く。

以下は、その内容。
アンドレ・ブルトンが主導したシュルレアリスムの芸術運動は、フランスでは文学・思想・絵画を中心に展開しましたが、日本では四次元怪獣ブルトンに変貌し、ウルトラマンと戦いました。ブルトンを倒すのに、2回もスペシウム光線を発射しなければならなかったのは、ブルトンへの敬意なのかもしれませんね。』

(四次元怪獣ブルトンは、DISC 5の第17話「無限へのパスポート」に出てきます。ちなみに、DISC 7の第28話「人間標本5・6」には、三面怪人ダダが出てきます。ダダイズムのダダ[原義は”お馬どうどう”の意味。]ですね。)
ちなみに、中沢新一の説によると、フランスのシュルレアリスム(超現実主義)に相当するのは、アメリカではウォルト・ディズニーのアニメだという。但し、アメリカでは光と影がなくなり、表層的な世界になっているという。
確かに、本国フランスでは、白魔術のブルトンVS黒魔術のパタイユという構図が見て取れたわけですし……。
ちなみに、巌谷國士の『シュルレアリスムとは何か』によると、読みとしてはシュールレアリスムではなく、シュルレアリスムが正しいという。なぜ読みにこだわるかというと、意味が曲解される可能性があるからで、巌谷によると、ブルトンが主張したのは、シュール(超)+レアリスム(現実主義)ではなく、シュルリアル(超現実)なイズム(主義)なのだという。つまり、シュール(超)+レアリスム(現実主義)というと、現実から離れた空想を重んじる主義ということになるが、シュルリアル(超現実)なイズム(主義)だと、現実以上の現実を追求する主義ということになる。
シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫)

シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫)

超現実主義宣言 (中公文庫)

超現実主義宣言 (中公文庫)

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

シュルレアリスム運動が、単に芸術運動に留まらず、精神の革命をもたらし、さらに政治の変革をも志向したことを考えるならば、巌谷國士の主張は当然うなづけるものである。