2016年04月12日のツイート
@harapion: 文化人類学者は、常にエスノセントリスム(自民族中心主義)批判を課題としている。文化人類学者である『精霊の守り人』の著者が、どこか特定の国をモデルにこの物語を創作したというのは誤りだろう。むしろ様々な民族の神話の要素から、どこにもない、普遍的な人類の神話モデルを造ったとおぼしい。
@harapion: 笠井潔の最新作『転生の魔』、どうみてもシールズと思える団体を、名前を変えて登場させている。社会派の要素のある飛鳥井シリーズならば、現代のそういう問題も扱えるという事なのだろう。ミステリなので、俯瞰的な描き方。『黄昏の館』のような幻想文学系の作品は、もう書かないのかな。
@harapion: 紀田順一郎「殺意の収集」(『古本屋探偵の事件簿』創元推理文庫に収録)、古書マニアの業が描かれていて、頷きながら読めた。この小説は、究極の稀少本を巡る物語だが、これに笠井潔の『梟の巨なる黄昏』のように人間の思考を呪縛するような本の性質が加わったら、更に恐ろしい事になるだろう。
@harapion: 安藤礼二『光の曼陀羅』(講談社文芸文庫)。論じられているのが、気になる作家ばかり。埴谷雄高、武田泰淳、江戸川乱歩、稲垣足穂、南方熊楠、中井英夫……。それどころか、河出文庫の南方熊楠コレクション、エルンストのコラージュ・ロマン、これまで夢中になった本の仕掛け人がこの人だとは。