黒猫館はてな出張所で

http://d.hatena.ne.jp/kuronekokann/20050123 プライアン・イーノを取り上げていた。そういえば、浅田彰の愛聴盤にプライアン・イーノの『鏡面界』があったことを思い出し、さらに浅田彰の序文のついたウィム・メルテン著・細川周平訳『アメリカン・ミニマル・ミュージック』(冬樹社)を買い逃し、今では入手困難になっていることを思い浮かべる。なんたることか。
鏡面界という言葉は、ジャック・ラカン鏡像段階理論を連想させる。鏡面に映る私に、それを見る私が自己同一視することで、私という主体が生成される……。イーノの音楽は私が生成される前に遡行させる性質を持っているように思われる。プレノン、である。

エクリ 1

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ジャン=リュック・ゴダールの「プレノン・カルメン」(邦題:カルメンという名の女)は、カルメンという名前(ノン)の前(プレ)に遡行するという意味が隠されている。
カルメンという名の女 [DVD]

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ところで、プライアン・イーノといえば、アンビエント・ミュージック(環境音楽)、スティーヴ・ライヒといえば、ミニマル・ミュージック(反復音楽)である。
アンビエント・ミュージックの起源を辿ると、エリック・サティの家具としての音楽というコンセプトに行き着く。