コミュニティ[小森健太朗]

ミクシィ内に、[小森健太朗]というコミュニティを立ち上げた。
自分の立ち上げたコミュニティとしては、[薔薇十字制作室ニッポンロッヂ][GS・たのしい知識研究会][週刊本][山口昌男☆素晴らしきかな人類☆]に続く5つめのコミュニティとなる。

以下は、[小森健太朗]のために書いた原稿。

小森健太朗さんは「新本格派」もしくは「ミステリの第三の波」の系統に属するミステリ作家です。
グルジェフウスペンスキーを中心とする神秘学(隠秘学)・精神世界領域の研究家としても知られています。
[ミステリ作家としての小森健太朗
主な作品としては、『ローウェル城の密室』、『コミケ殺人事件』、『ローウェル城の密室』、『ネヌウェンラーの密室』、『ネメシスの哄笑』、『バビロン空中庭園の殺人』、『神の子の密室』、『眠れぬイヴの夢』、『マヤ終末予言「夢見」の密室』、『駒場の七つの迷宮』、『ムガール宮の密室』、『Gの残影』、『大相撲殺人事件』などがあります。
大きく分けて(1)神秘学の思想が作品の背景に描きこまれている作品と、(2)メタ・フィクション(メタ・ミステリー)的仕掛けが施されている作品があります。
[翻訳家としての小森健太朗
ミハイル・ナイーミ著『ミルダットの書』、カリール・ジブラン著『漂泊者(さすらいびと)』 (共訳)、 コリン・ウィルソン著『スパイダー・ワールド 賢者の塔』、 コリン・ウィルソン著『スパイダー・ワールド 神秘のデルタ』などの翻訳を手がけています。
[神秘学研究家としての小森健太朗
G・I・グルジェフとP・D・ウスペンスキーの研究家としても知られ、P・D・ウスペンスキー著・高橋弘泰訳『ターシャム・オルガヌム 第三の思考規範 世界の謎への鍵』の解説も書いています。
また、ミステリ作品『Gの残影』は、グルジェフウスペンスキーの神秘学を、題材として取り上げています。
公式HP 大きなお茶屋さん
http://homepage2.nifty.com/kkomori/

コミュニティ[小森健太朗]をつくることにした理由は、(1)他の新本格に属する多くのミステリ作家については、ファンが集うコミュニティがすでにあったが、小森さんのコミュニティはまだなかったこと、(2)小森さんはミステリ・ジャンルだけでなく、神秘学にも造詣が深いわけですが、小森さんのこの面もフォローすることで、これから「神秘主義・精神世界」に触れようとしている人にとって、アプローチの方法など参考になる面が多いのではないかと考えたためです。
ご承知のように、小森さんはコリン・ウィルソン(英国の新実存主義者・思想家、哲学・神秘学・心理学・犯罪学に関する研究を行っている。)に関しても詳しく、『スパイダーワールド』の翻訳までされている方ですが、小森さんもコリン・ウィルソン(以下CW)も、神秘の森に分け入る際にも<理性>を放棄しているわけではないように思われます。このことは重要なことであり、ディープなハード・オカルトに踏み込む人にとって、CWの本は、入門書の域を出るものではないかも知れませんが、ベーシックな部分で、CWのように理知を失わず、真実か否かを見極める努力を怠ってはならないように思われます。小森さんの場合、ミステリが理知の光を必要とするジャンルだけに、『神の子(イエス・キリスト)の密室』等でも、<理性>的なアプローチによる謎の解明を目指しています。
こういった<理性>的なアプローチによらない場合、「神秘主義・精神世界」には魔物が棲んでおりますから、最悪な場合、横山茂雄著『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』(白馬書房)が指摘しているように、ファシズムなどの権力思想に絡め取られることになる危険性もありますし、似非教祖による詐欺にひっかかることもあるわけです。
私の場合、「神秘主義・精神世界」にアプローチする際に、CWや、日夏耿之介澁澤龍彦種村季弘荒俣宏・鎌田東ニ・中沢新一といった人のアプローチの仕方を意識してきましたが、小森さんのミステリ的な理知によるアプローチというのも、重要な観点だと思います。
ですから、少し大げさなことを言いますが、コミュニティ[小森健太朗]で遊びながら、生き方の姿勢みたいなものも学んでゆけたらいいな、と考えています。
という理由もあって、このコミュニティを立ち上げたわけですが、無論、小森さんには『コミケ殺人事件』のような手の込んだミステリもあるわけで、こういった作品について、どんどん思ったことを書いていただける方(ただし、ネタバレだけには気をつけて)が参加してくれたら、いいなぁと思っています。

4択問題です。『ローウェル城の密室』の作者は誰?
(1)小森健太朗
(2)小森健太郎
(3)高沢則子
(4)高沢のりこ

答え。
一応、正解は(1)なんですが、他の選択肢を選んでも間違いではないんですね。というのは……。
(1)は筆名。
(2)は本名。
(3)1982年の第二十八回江戸川乱歩賞に『ローウェル城の密室』を応募した際に使用した筆名。(当時16歳の高校生。この作品は最終候補に残る。)
(4)東京で開催されたコミケで販売された私家版『ローウェル城の密室』に使用した筆名。