コミュニティ[Wilhelm Reich]

dzogchen2005-10-05

ミクシィ内のコミュニティ[Wilhelm Reich]の管理権を引き継ぐことになり、コミュニティ[Wilhelm Reich]のトップページの刷新を行った。以下は、その原稿。

【Wilhelm Reich:ウィルヘルム・ライヒとは?】
オーストリアガリシア生まれ。
精神分析学者。
神経症の原因をリビドーの抑圧にあるとするフロイトの性欲説に賛同し、フロイトの弟子となる。
分析医として患者の”性格抵抗”に着目、精神病患者には”性格の鎧”があり、特に権威主義的な価値観の持ち主は、自身の欲望を抑圧するがゆえに無理が生じ、精神病に発展すると考えた。こころのこわばりが、筋肉のこわばりと連動し、さらには心因的理由によって身体の異常が生ずるとする考えに至る。
その後、マルクス主義に接近し、社会変革による性解放を模索するようになる。ライヒが社会的なレベルでのセクシュアル・レヴォリューションを希求したのは、精神病の抜本的な解決のためであったが、このことは、フロイトの不信を招き、最終的に国際精神分析学会から追放されるに至る。
一方、性の問題を重視するライヒは、共産党とも対立し、マルクス陣営からも破門されることとなる。
ライヒが最終的に向かったのは、オルゴン研究である。オルゴンとは、生命エネルギーのことで、フロイトのリビドーの実体化であった。
ライヒは、オルゴン集積器を作り販売するが、米国FDAは販売禁止命令を出し、ライヒは逮捕される。最終的にライヒは、心臓発作で獄死する。

【著作リスト】
1920年イプセンペール・ギュント。リビドー葛藤と妄想形成」、「近親相姦のケースに入らない症例について」(『性科学雑誌』10月号<7号>)
1921年「フォレルからユングに至るリビドー概念」、「転換ヒステリー症候群」(ウィーン精神分析協会にて)
1922年「オナニー習慣の諸相」
1923年「衝動エネルギー論」(『性科学雑誌』)、「性器性欲について」(『国際精神分析学雑誌』)、「後発性強迫神経症にかかった児童の白昼夢」
1924年「オナニー代理症としてのチック」、「性器リビドーの治療上の意義」
1925年「衝動的性格」、「神経症治療における性器性欲の役割」、「発生状態におけるヒステリー精神病」、「教育者としての両親」
1926年「神経症的不安の源泉について」、「精力減退を伴う慢性心気症型神経衰弱について」、「教育者としての両親」
1927年『オルガズムの機能』、「続・教育者としての両親」、「解釈と抵抗分析の技法について」
1928年「性格分析について」、「幼児のオナニー」、「裸体教育はどこへ行く」
1929年「社会学と心理学」、「神経症の予防」、「弁証法唯物論精神分析」(『マルクス主義の旗のもとに』)、「性的興奮とその充足」、「性器的性格と神経症性格」
1930年『性の成熟、禁欲、結婚道徳』(後に『性の革命』第一部に収録される)、「社会問題としてのノイローゼ」、「幼児期的恐怖症と性格形成について」、「性的貧困と性改革」
1931年「あなたの子供に聞かれたら」、『青年の性的闘争』、「てんかんの発作について」、「エディプス・コンプレックスの性格論的克服」、「社会主義者の意思」
1932年「性道徳の出現〜性経済の歴史について」、「マゾヒズム性格」
1933年『性格分析』、『ファシズムの大衆心理』
1934年「電気・生理過程の放電現象としてのオルガスム」、「生命増殖運動の最初の対立」、「フロイト抑圧理論への反論」、「歴史研究への精神分析の応用」、「ローハイムの『未開文化』の精神分析」、「階級意識とは何か」
1935年「性経済論の研究領域についての展望」、「戦争映画の大衆心理的効果について」、「『客観的価値世界』の機能」、「自由主義的性改良と革命的性政策との差異」、「シュトライヒャーの加虐症的な好色本はどうしてくつられたか」、「ソヴィエトにおける性革命の抑圧」
1936年「セクスポルの文化政策的観点」、「弁証法唯物論についての往復書簡」、「弁証法唯物論の心理学で武装した組織としてのセクスポル」、「生殖 性欲の一機能」、「家族の救済について」(フランス語)、「思慮深い母との対話」、「性格と社会」、「文化闘争における性」増補第二版(後に『性の革命』と改題)
1937年「ビオン実験第6号に関するフランス科学アカデミーへの報告」、「労働民主制」、「心的接触と生命の流れ」、「性欲と不安の電気機能についての実験的結果」、「オルガスム反射・筋組織・身体の表現」、「映画『将来の姿』」「第二線のいくつかの現実問題」、「オルガスム反射」、「生の探求過程における弁証法唯物論」、「弁証法唯物論の熟練工と対立する社会主義運動の知恵遅れ」
1938年「ビオン」、「宗教感情の基本的三要素」
1989年「癌問題についてのビオン実験」(英文)
1941年「労働民主制の主要問題」
1942年「われわれの協会の歴史と活動について」「生物物理学的機能論と機械論的自然科学」、「オルゴンの発見」、「癌性収縮体質」、「プロトゾアの自然組織」『オルゴン・エネルギー小胞から生ずるオルガスムの機能』
1943年「癌病質のオルゴン実験療法」「生気ある必要労働に責任を与えよ」、「自由追求の人間の闘争における生物学的な誤算」、「労働民主制対政治」
1944年「熱量と検電器によるオルゴノメトリー」、「オルゴンの振幅 ある物理学者との対話」、「生きた生産力 マルクスの労働力」
1945年『性の革命』第三版、「癌性収縮体質におけるオルゴンの稀薄状態」、「情緒的疫病のいくつかの形態」、「オルゴン生物物理学・機械論的科学・『原子エネルギー』」、「実在するオルゴン・エネルギーの実験的論証」、「合理的な社会関係から発生する権威主義的な国家形態」
1946年『俗人に与える言葉』
1947年『オルゴン協会紀要』創刊、「行為における労働民主制」
1948年『オルゴンの発見 第二巻 癌病質』、「聞け!小人物よ」
1949年『性の革命』第四版、「地球オルゴン・エネルギー網サーチライト現象」、「オルゴン・エネルギーに内在する動力」、「興奮した手のひらのオルゴン・エネルギー域についてのX線写真」、「パコール・ルミネーションの将来の物理的特色」、「癌の早期診断に関する公衆の責務」、「社会自治に含まれるディレンマ」、「オルゴン宇宙エネルギーと『エーテル』」
1950年「オルゴノミーの機能論第二部」、「続オルゴノミーの機能論第二部」、「オルゴノミー化学による癌研究」、「オルゴノミー 1935〜1950 I」、「オルゴン含有真空管内の気象現象」、「将来の子供たち オルゴノミー幼児研究センター第一報告書」、「オルゴン・エネルギー観測所(1948年)」、「オルゴン計量式 第一部 一般式」、「ライヒの癌実験に対する『取締り』」「オルゴノミー放射能除去計画(オラナー)」
1951年「オルゴン計量式 第二部 完全なオルゴン計量式」「第20号実験における癌細胞」「白血病の問題 アプローチ」「十一月二十五、六の台風」、「新生児の武装」、「オルゴノミー研究の目標となる指針」「終生説の大道を歩むウィルヘルム・ライヒ(1935〜1939)」「エーテル、神、悪魔」、「オルゴン・エネルギー集積器」、「宇宙との抱擁」「オラナー実験第一報告書(1947〜1951)」
1952年「医学のオルゴノミー的思考」、「社会管理についてのひとつの実験」、「真理とモジュー」、「DOR除去と集雲励起」、「新オルゴノミーの機能論(第二部)
1953年『キリストの殺害』、『病める民衆』、「アインシュタイン事件」、「人類の情緒的疫病」
1957年「宇宙との触れ合い オラナー第二報告書(1951〜1956)」

(註)著作リストは、角川文庫版『性の革命』の年譜と、『現代の思想家 ライヒ』を基に、再構成いたしました。両者の間には、発行年、邦訳タイトル名に、多少情報の相違がありました。学術目的など正確さを要求されることに利用される場合、念のため再検証されることをお勧めいたします。