後期高齢者医療制度に異議あり

 後期高齢者を、ご長寿と言い直そうと、それが後期高齢者いじめの医療制度であることに変わりない。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1005-4c.pdf 

後期高齢者医療保険の要点は、以下の通りである。
(1)75歳の誕生日を迎えた者全員と、これまで老人保険に加入している65歳以上の障害を持っている人は、強制的に後期高齢者医療保険のなかに組み込む。
(2)後期高齢者医療保険に組み込まれることによって、扶養家族から外され、保険料負担の義務が発生する。
(3)後期高齢者医療保険とは、医療費の10%を、加入者である後期高齢者が負担するというのが主旨である。そして、医療費が増大すると、保険料が値上げされるようになっている。この仕組みは、後期高齢者の受診抑制と、「後期高齢者の心身の特性に相応しい診療報酬体系」を大義名分とした医療内容の劣悪化と医療差別に結びつくようになっている。保険料は2年ごとに見直しがされるようになっており、2年後の値上げが予想される。
(4)後期高齢者医療保険では、都道府県の広域連合が保険者となる。広域連合では一般財源を持たないため、独自の保険料減免措置をとることが出来ない。

 さすがは、小泉純一郎(当時首相)である。小泉(当時首相)の政策には共通点があって、いのちの軽視、社会的弱者への優しさというものが、完全に欠落しているという点にある。
 小泉が『高齢者の医療の確保に関する法律』などの「医療改革法」を強行採決させたことの狙いは、入院医療費や終末期医療費が増加などを抱える後期高齢者という社会的弱者を切り捨てることにある。後期高齢者は、保険料の負担は増えるが、「後期高齢者の心身の特性に相応しい診療報酬体系」という別枠の差別された医療サービスしか受けられなくなるのだから。
 この政策は、姥捨て山より酷く(姥捨て山ではお金は取られない)、世界的にも例のない非道なものだと考える。