「探偵小説」殺本事件
シャンカラの『ウパデーシャ・サーハスリー』(岩波文庫)とショーペンハウエルの『女について』(角川文庫)を、物入れの中から探し出す。
- 作者: シャンカラ,前田専学
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/04/18
- メディア: 文庫
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南原兼の『ナイトはお熱いのがお好き』(角川ルビー文庫)のサイン本が見つかる。南原兼とイラストの桃季さえのサインである。これは、要するにボーイズラブのジャンルの本である。
- 作者: 桃季さえ,南原兼
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/03/26
- メディア: コミック
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ところで、先ごろ清涼院流水+大塚英志+箸井地図の『探偵儀式II』(角川コミックスエース)が刊行された。これは、清涼院流水のJDCの設定をもとに、大塚英志が原案を考え、箸井地図が漫画化するというものである。興味深いのは、この漫画が大塚による「新本格」への批評となっている点である。
- 作者: 清涼院流水,大塚英志,箸井地図
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/04/03
- メディア: コミック
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- 作者: 清涼院流水,大塚英志,箸井地図
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/03/26
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この論調は、先日の有栖川有栖の『モロッコ水晶の謎』への杉澤評と似ている。現実に目の前で人が倒れたら、蘇生するように務めるのが先決事項という杉澤氏の指摘は、まっとうな論理である。しかし、「探偵小説」としては、そこで蘇生されて死者が出ないとなると困るわけである。そこで、蘇生できるものも、とりあえず死んでいただく、これが「探偵小説」的なねじれたロジックなのである。
しかし、ここからまた別の物語が始まる可能性がある。『「探偵小説」殺本事件』、犯人は杉澤氏、動機は「新本格」のロジックがねじれているから。うーん、メタ・ミステリーか、受けないな、たぶん。
話を元に戻す。『探偵儀式II』だが、ついに「N月R太郎」さんと「U山H出夫」さんまで登場してしまった。あからさまに、このモデル人物を指し示してどうしようというのだろう。大塚は『「新本格」殺本事件』でも書こうというのだろうか。