ライヒの生涯

以下は[mixi(ミクシィ)]のコミュニティWilhelm Reichのために書いた原稿。
W・ライヒについては、3つの時期に分けて考えると、理解しやすいように思います。
第一期。フロイトの有望な弟子として期待された時期。性格分析を提唱し、心と体の相関関係があることを強調し、ストレスを抱えた人間は、「性格の鎧」を着ており、心のみならず、体もこわばっている。だから、心身両方への癒しが必要なのだという時期。
第二期。ファシズムの心理学的な原因探求の結果、権威主義的な道徳による性の抑圧があるとし、抜本的解決のためにフロイト精神分析マルクス主義を結び付けようとした時期。『性の革命』といった重要著作が生まれたが、精神分析からも、マルクス主義陣営からも、嫌がられるようになった。
第三期。フロイトのリビドーを、オルゴン・エネルギーとして実体化し、これを集積するオルゴン集積器をつくり、さらにこのエネルギーを武器として使用するクラウドバスター(効能:雲を蹴散らす、UFOを蹴散らす)をつくり、オカルト領域に踏み込んだマッド・サイエンティストに変貌した時期。
第二期については、セクスポル(性政治)という観点から、ライヒについてのドキュメンタリーと、ソ連の抑圧的な道徳を揶揄する虚構の話を結びつけたドゥシャン・マカヴェイエフによる映画「WR:オルガニズムの神秘」が、ライヒ・ファンにとって必見です。