2005-06-01から1日間の記事一覧

結語

私には、靖国神社というものが、日本国憲法の持つ民主主義の理念となじまないものであると思えてならないのである。靖国神社は戦没者追悼の場ではなく、戦死者を美化し、戦争を鼓舞し、ファシズムの死の美学を完成させることを目的としていると思われるので…

A級戦犯合祀をめぐって

中国は、A級戦犯の合祀を問題視して、靖国神社への首相の公式参拝を批判している。これに対し、保守派の論客は、A級戦犯とB・C級戦犯の差異は、恣意的なもので、合理的な区分はなく、東京裁判で勝手につけた区別に過ぎないという。保守派は、東京裁判と…

大量殺戮の背景

しかし、アルチュセールの国家のイデオロギー装置論を用いても、まだ靖国神社の全容に届かない気がする。靖国神社は、帝国主義的・軍国主義的な生産諸関係−社会諸関係を再生産するという合理的な理由だけではなく、靖国神社の崇高性・至高性の秘密は、日本兵…

国家のイデオロギー装置論

では、靖国神社とは、国家にとっていかなる機能を果たしていたのだろうか。 ここで、靖国神社が、戦前・戦中の日本においていかなる政治的機能をはたしたのかを見えるようにするために、アルチュセールの国家のイデオロギー装置(AIE)論という観点を導入…

歴史的経緯

ここで靖国神社と他の神社の歴史的経緯の違いに着目してみよう。 靖国神社の前身にあたるものは、1869年(明治2年)に建立された東京招魂社である。靖国神社と改称したのは、明治12年のことである。 他の神社は、明治元年(1868年)の祭政一致の布…

法解釈その2

また、日本国憲法第89条は、(公の財産の支出・利用提供の制限)を規定しており、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はそ…

法解釈その1

靖国神社への日本国首相の公式参拝について、私なりの法解釈を展開してみよう。 日本国憲法第20条は、(信教の自由、政教分離)を規定しており、「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を…

靖国神社問題について 

以下は、アレクセイの花園 http://8010.teacup.com/aleksey/bbs 投稿原稿である。